よろず支援拠点便り

       

2019年8月より、『わかやま新報』日曜版と『日高新報』水曜版に「よろず支援拠点だより」を連載させていただいています! よろずコーディネーターが今まで実際に相談対応させていただいた事例をご紹介してまいります。 皆さまぜひご覧ください。

便利な拠点であるために わかやま新報140号 5月29日号(最終回)

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点チーフコーディネーターの吾妻です。

コロナ禍3年目のことしは戦争が勃発し、世界が激動。ビジネスを取り巻く環境は大きく変化し、この激変にいかに対応していくかが企業経営の大きな課題となっています。

当「拠点だより」は今回で140回目となり、最終回を迎えました。よろず支援拠点を活用し、企業経営の参考にしていただく意味でも、これまでの掲載やことしで9年目を迎えるよろず支援拠点について少し振り返ってみようと思います。

よろず支援拠点は2014年、当初は3人の相談員でスタートしました。当時は新事業として知名度もなく、年間の相談件数は700件に満たないくらいでした。

昨年度はこれまでに当拠点を利用された方や、県内支援機関の皆さま方のご紹介により、約4000件(累計約2万3000件)のご相談に対応いたしました。本年度は3人の新たなメンバーを迎え、現在相談員は総勢12人で対応しています。

当拠点は、事業について考えたい、計画作り、新たな分野へのチャレンジ、SNSの運用、今後の方向性、自作チラシのアドバイス、社員さんが働きやすい環境など、経営におけるさまざまな〝お困りごと〟に関して気軽にご相談いただける場所です。

また必要に応じて、当拠点だけでなく公的機関や金融機関と連携し、皆さまの事業が一歩進むよう支援しております。

本掲載で「よろず支援拠点だより」は最終となりますが、これからも県内の事業者の方や創業を目指す方々にとって便利な拠点として活動してまいります。メルマガなどではお役立ち情報を配信いたしますので、ぜひフォローしてください。

最後になりましたが、読者の皆さま、また掲載にあたりご協力頂いた皆さま方に改めてお礼申し上げます。

ありがとうございました。和歌山県よろず支援拠点一同

感性工学とは? わかやま新報139号 5月22日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点コーディネーターの横山精光です。

今回は「感性工学」という学問についてお話します。感性工学とは、人の五感を科学的に追求し、世の中の役に立つ研究をする学問のことです。広島大学の長町三生(みつお)名誉教授が始められ、海外でも「Kansei Engineering」として認識されています。

韓国やイギリス、スウェーデンなどの国外でも研究されており、国内には日本感性工学会という学会があります。学会には、繊維(フアッション)をはじめ、自動車や飲料、スポーツ用品、食品、芸術、住宅、家具、ロボット、化粧品など、幅広い分野の研究者が集まっています。

研究そのものは難しいのですが、私が(独法)中小企業基盤整備機構の仕事をしていた時の比較的簡単な例(感覚と解析)をご紹介したいと思います。

天皇・皇室献上品を持つ老舗の和菓子店が、新たな商品を開発する際にお手伝いをした時のことです。伝統和菓子は砂糖が貴重な時代に作られたことから、日持ちをさせるために糖度が高く、近年好まれる甘さとの乖離がありました。そのため、適度な甘さを追求することで地元産の栗の味を引き立たせることにしました(地元で行列のできる店づくりがコンセプトのスタート)。

まずベンチマーキングとして評価されている長野県や岐阜県の和菓子を購入し、社長をはじめ、社員さんの試食会をしました。その際、対象商品の各部位の糖度測定をし、糖度と甘さ評価を実施して相関を調べました。その結果を基に、さらに試作と評価を何度も繰り返し、最適な甘さの糖度を決定しました。本体の姿やパッケージについては、別途検討して最終の商品に至ります。

一般的には、「高級な」「温かみのある」「生き生きした」「心地よい」「モダンな」「シンプルな」「爽やかな」「味わいのある」「おいしい」などの形容詞で表される狙いのコンセプトに対して、商品の色や形などを追求していく(必要により統計解析手法の活用など)心理的評価法と、脳波や近赤外分光計測、筋電位計測などで評価する生理的評価法があります。

機会があれば活用をお勧めします。

ものづくりへの思い わかやま新報138号 5月15日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点コーディネーターで社会保険労務士の二之段(にのだん)直哉です。今回は、相談業務を通じて知り合った、海南市の㈱ファイブさんについてお話します。

私が作業所を見学させていただいた時、観光地で販売されている箱に入った土産物の「お菓子を仕切るための紙」を手作業で折っているところでした。

箱本体は機械で完成できても、中の商品がずれないようにするための仕切りは人間の手が必要とのことで、箱に手作業で完成した仕切りを加え、さらに商品を入れてからフィルムでラッピングすることで、お店に並ぶお土産が完成するという一連の流れを見学させていただきました。

ファイブさんで働いている方は皆さん真面目で、元気にあいさつをしてくれてとても気持ちが良かったです。社長さんの話から、長年勤続されている方や、経験を生かして新しい会社やお店に就職される方、中には就職先から再び戻ってくる方など、いろんな事情を抱えた方の就業を支援されている状況を知りました。

ある日、社長さんは作業をしている方たちを連れて「作っている土産物が売られているところを実際に見に行こう」と観光地へ見学に行ったそうです。そこで自分たちで完成させた土産物が店頭に並んでいるのを見つけました。お客さんが手に取って購入しているところを目の前で見ることができ、うれしくて思わず自分たちもお小遣いでその商品を購入している姿を見た時、「この子たちと仕事をして本当に良かったと感じた」という話を聞きました。 商品を購入するお客さんの顔を想像しながら真面目に丁寧な仕事をする姿は、私が日頃経験することのできない「ものづくりに対する思い」であり、間近で見ることができたこと、感動話を教えてくださった社長さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

ウイン・ウイン わかやま新報137号 5月8日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点コーディネーターの鹿島です。

世界では侵略による悲惨な戦争が起こり、人間社会では企業間競争、受験戦争など勝ち負けの戦いが日常茶飯事です。いったん原子核戦争が起これば、人類は破滅する危険にさらされています。

勝ち(Win)負け(Lose)の戦いは、得るものと失うものが必ず出てきます。勝ち負けの社会からそれぞれの強みでシナジー(相乗効果)を生かして、共に価値を得られる「ウイン・ウイン(Win・Win)」の社会を目指すことが、まさに喫緊の課題です。勝ち負けによる競争でなく、協調による持続可能な社会に大きく舵をきることが求められています。

勝負事は「51対49」の勝負判定でも決まります。51対49は、50対50の引き分けでもなく、80対20の大差でもない。プロセスや内容で価値が同じ49でも、ぎりぎりの勝負の瀬戸際で、2対0であれば、結果が「51=2+49、49=0+49」 となります。

結果としてわずかの差で勝負がついてしまうこの「51対49」は、人間の行動は微妙なバランスの上に成立している(心理学では両価性原理)ことを示し、いつなんどき逆の49対51になることも示しています。人間の闘争心だけにとらわれていては、いつまでたっても勝ち負けの争いが続きます。

これをブレークスルー(突破)するには、常に勝ち負けの結果で決める競争から、パートナーシップにより新たな価値を生み出すウイン・ウインを目指すしかありません。

事業を行う際にも、自社だけのメリットを追求するのではなく、利害関係者(ステイクホルダー)と連携しながら進めること(パートナーシップ)がウイン・ウインにつながります。

最近、大手スーパーでは自社ブランドをOEM生産で販売するケースが多いですが、個人で事業を進める方や小規模事業者の方も、パートナーシップでお互いの強みを生かした「ウイン・ウイン」に向けた取り組みが重要で、和歌山県よろず支援拠点としても支援していきます。

効率の良い学習方法を わかやま新報136号 5月1日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点の福山です。

ことしは桜の咲き始めが早かったので、孫の入学式にはほとんどの桜が散ってしまっていて少し残念でしたが、新年度が始まり、気温も暖かくなって、社会活動においても何かを始めたくなる季節になりました。

私は新芽の出るこの季節が大好きです。皆さんの会社やお店でも新人さんが入ったりして、活気が出てきたのではないでしょうか。

ところで皆さんは「ラーニング・ピラミッド」ってご存知ですか。学習方法と平均学習定着率の関係を三角形に表したものです。

どれだけ学習が身に付いたかは「講義を聞く」5%、「読書をする」10%、「視聴覚体験」20%、「デモンストレーションを見る」30%、「グループディスカッションに参加する」50%、「学んだことを実践する」75%、「他の人に教える」90%となるそうです。講義を聞くのが5%の学習効果とは少ないですね。

私もセミナーをさせていただく機会が多くあります。このことを意識しているかどうかは疑問ですが、皆さんに参加してもらいながら、セミナーを進行するように心掛けています。4月の初めに海南商工会議所で新入社員の合同研修会があり、講師を担当させていただきました。その時も、グループ討論やチームビルディング用のゲームを中心に講座を進め、体験型学習につなげました。

今、文部科学省が進めている教育改革はまさにここに注目しています。特に「自ら体験する」…とにかくやってみる。「他の人に教える」…自分の理解をアウトプットすることなど。

時間が限られている状況では、より効率の良い方法での学習が必要になります。社内で行う研修も同じです。研修してもなかなか成果が出ず困っている人は、この学習方法を見直すだけで思わぬ効果が出るかもしれません。ポイントは「考える力」を身に付けることだと思います。

開業前後の幅広い支援 わかやま新報135号 4月24日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点コ―ディネーターの野際です。

今回は和歌山市内に今月、発酵食品の店「便り花(たよりはな)」を開店した上田さまをご紹介します。上田さまの本業は1951年創業の建具店ですが、新たな取り組みとして乳酸菌を含む調味料「植物性乳酸菌調味料(調味料)」を開発されました。

調味料はしょうゆ・米こうじ・野菜だけで作られていて、砂糖・みりん・塩などの添加物は一切使用されていません。自宅兼工場敷地内にオープンした同店では、この調味料を使った発酵食品を味わえます。

同店の定番メニューである「ワンプレート定食」や「柿珈琲」、「スモーク珈琲」、「柿プリン」をはじめ、高齢者にも優しいメニューがそろっています。いずれも店内のかまどでスモークした食材を使うお店のオリジナル。中でも「スモーク珈琲」は、長年試行錯誤を繰り返してようやく完成したといい、あっさりながらも濃くのある、他にはない味わいが特長です。

無事に開店された上田さまですが、その道のりは簡単ではありませんでした。調味料を含む食品に係る特許を3件取得し、専門検査機関で調味料の成分試験。また、発酵食品による健康寿命の延伸への関心が高いことから、乳酸菌を含む食品は需要が見込まれると考え、毎年開催される「わかやま産品商談会」に出展した他、調味料を活用した事業プランを作り、「県認定第二創業者」として認定も受けました。

県主催マッチングイベントへの参加や、「食べるJAPAN美味アワード2021」の審査を通過し、食の専門家から評価コメントをもらうなど、トライ&エラーを繰り返し、強みである調味料を活かした事業プランのブラッシュアップを行ってきました。

これまで約5年にわたり当拠点を利用、幅広いご支援をさせていただき、コロナ禍ではありますが、ついに開店。今後はお店の広報活動に力を入れて行くとのことで、その際にも当拠点専門家がしっかりとサポートさせていただきます。

手作りチラシで目的達成 わかやま新報134号 4月17日号 

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点の広告・販促・デザイン担当コーディネーターの榎本です。

今回は、伊都郡九度山町でボディーシェイプからシニア向けの運動など、幅広く提供されているフィットネススタジオ「かよ先生のにこわかスタジオ」さんの相談事例についてお話しします。

かよ先生は、スタジオのオープンに向けて、宣伝やデザインの相談に来られました。先生は、インストラクターであり、ご主人との共同経営者として30年間、各地で経験を積まれてきた方で、有名な先生です。

明るく元気かつ物腰が柔らかいお人柄の先生とご主人には、集客をあおる必要のない根強いファンも多く、先生のスタジオが九度山にオープンすると聞き、今か今かと待っている生徒さんもたくさんいる状況でした。

デザインは形の美しさではなく、集客など、その時々の目的が達成されることが大事です。今回の場合は、新規のお客さまを集めるのが目的ではなく、待ってくれている皆さまにお二人らしく、オープンを連絡することが目的であると認識しました。

相談の後、今回の件は、できるだけご自身で作るということに決まりました。結果、お二人の人柄が溢れる、手書きのかわいらしいチラシが出来上がりました。オープンを待ってくれていた生徒さんが喜んでくれる、良いチラシになったと思います。

オープン後のスタジオには、予想通りたくさんの生徒さんが通われています。現在、予約の空き待ちが続いている状況で、先生のお休みがなかなか取れないほどです。

よろず支援拠点は「にこわかスタジオ」さんのように、企業さまごとにその状況に応じたさまざまなサポートを行っています。皆さま、経営に関することは、どうぞご遠慮なくご相談ください。

HP運営とセキュリティ わかやま新報133号 4月10日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点ウェブコーディネーターの奧山です。今回は「ホームページを乗っ取られた」というお客さまからの相談をご紹介いたします。

近年のコロナ禍で、補助金を活用してホームページやネット販売サイトを制作する事例が多くありますので、この機会に「運営とセキュリティー」について考えてみませんか。

相談者のA社は、ホームページが乗っ取られているという報告をレンタルサーバー会社から受けました。このホームページは、過去に広報活動強化のため、自社で更新できるシステムを導入し、作成したとのことでした。

しかし、作成したものの、忙しいこともあり更新がほとんどできておらず、見ることもなかったため、A社は数日間乗っ取られていたことにも気付いておらず、発覚まで時間を要しました。

発覚後すぐに閉鎖したものの、データが書き換えられていたため、バックアップからの復元はできず、結局作成した当初の状態に戻すことになりました。

これは、広報強化のために作成したホームページが、逆に企業イメージを損なう可能性があった事案です。毎日ホームページを更新していくことは難しいとしても、日々確認をすれば、こうしたリスクを防ぐことに役立ちます。

特に自社で更新できるシステムを導入している場合や、ネット販売サイトを自社運営している場合は、こういったリスクが高まります。クレジットカード情報や個人情報の漏えいなど、重大な事件を起こしてしまった場合、被害は甚大です。

自社で管理が不可能な場合は、外部委託者にお願いするなどし、システムが最新の状態になるよう保ちましょう。今後DXやIT化がますます進んでいきます。こういったセキュリティーについてもセットで考えていくことが大切です。当拠点ではセキュリティーについてもご相談いただけますので、被害を未然に防ぐためにもご相談にお越しください。

インボイス制度に備えて わかやま新報132号 4月3日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点コーディネーターの速水愼一郎です。

桜もそろそろ満開、いよいよ春本番! 新しい年度が始まりました。コロナ禍の長いトンネルや、想像もしなかった侵略戦争も一日も早く終息してほしいものです。

さて、1月のこのコラムでも少し取り上げましたが、来年10月から消費税の「適格請求書保存方式(いわゆるインボイス制度)」が始まります。ちょうど1年半後に始まる制度ですが、まだ制度の内容が皆さんに十分浸透していないのではないでしょうか。

新たな制度が始まるということは、当然今の制度が変わります。何がどう変わるかの詳細を述べると紙幅が足りないため、端的に言うと事業者が発行する請求書や領収書の記載内容と、消費税を納税する際の集計・計算の方法が変わります。

その際に使用される請求書・領収書が「適格請求書等(いわゆるインボイス)」と呼ばれるもので、この書類には税務署から発行される事業者番号を記載しなければなりません。そしてこの番号を記載した書類を発行するためには税務署に「適格請求書発行事業者」の登録をする必要があります。

この登録申請はすでに昨年10月から始まっており、来年3月までに登録が必要です。ということは期限まで残り1年。「なんか分からん」「そんなん知らん」では済まない事態が迫っています。制度の中身を知っておかないと、思わぬ損失を被ってしまうことも考えられます。

デジタル社会の到来と言われ始めてすでに何年か過ぎていますが、その一環としての「インボイス制度」に新年度早々取り組むのもタイミングとしては良いのかもしれません。 よろず支援拠点では、この制度に関する研修会や相談会も計画しています。お気軽にご参加、またご来場ください。お待ちしています。世界中の安心と平和の到来を願いつつ、皆さまのご健勝をお祈り申し上げます。

相談通じて幸せになって わかやま新報131号 3月27日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点チーフコーディネーターの吾妻です。今回は、約4年前に「創業したい! 」と、当拠点にご相談に来られたAさんについてご紹介します。

Aさんは若い頃から、「高齢者が元気になるような仕事をしたい」と考えていたそうですが、全く別のキャリアを歩んでおられました。Aさんは当初、今の仕事を辞めて「鍼灸院のフランチャイズ」に加盟し、夢を実現したいとご相談に来られました。

当拠点では、融資にあたり必要な事業計画書をブラッシュアップし、金融機関に申し込みをしました。創業する場合、これまでの経験などが重要になってくるため、フランチャイズ加盟(鍼灸師を雇用して自分はオーナー)で経験を補うのは大いにアリですが、ついつい最後に余計なお節介を言ってしまいました。

「雇った鍼灸師が辞めたら、ビジネスモデル自体立ち行かないのではないでしょうか? 返済だけが残りますし、ご自身で鍼灸師になる道もあるのでは? 」鍼灸師の資格取得には3年間専門学校に通う必要があり、学費もかかりますが、「専門実践教育訓練給付金」が活用できることも紹介。

その結果、Aさんは融資を取り下げ、専門学校に入学されました。40代半ばでのとても大きな決断に、私もこの3年間案じていましたが、今月卒業されて鍼灸師になられました!

現在は自身が施術者として創業の準備を進めており、高齢者のQOL改善のサポートをしたいという思いで鍼灸師になられたAさんには、「地域課題解決型起業補助金」(創業時に活用できる補助金)にチャレンジしてはどうかと相談中です。

また、美容鍼にも特化したいとのことで、治療院のコンセプトや今後の広報についてもサポートしていく所存です。当拠点は経営相談の拠点ですが、「拠点に来ていただいた皆さまに、相談対応を通じて幸せになってほしい」という思いで活動しています。皆さまからのご相談をお待ちしております。

パワハラ防止への措置を わかやま新報130号 3月20日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点コーディネーターをしております、弁護士の石川です。今回は、よく受ける相談の中から「パワーハラスメント(パワハラ)」についてお話したいと思います。

労働施策総合推進法(いわゆる「パワハラ防止法」)という法律では、パワハラについて、①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものと定義しています。

代表的な類型としては、①身体的な攻撃(暴行・傷害)、②精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)、③人間関係の切り離し(隔離・仲間外し・無視)、④過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)、⑤過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じたり、仕事を与えなかったりすること)、⑥個の侵害(私的なことへの過度の立ち入り)があります。

本年4月1日からパワハラ防止法に基づき、中小企業にもパワハラ防止のための措置を講じることが義務付けられます。具体的には、①事業主の方針の明確化およびその周知・啓発、②相談に応じ、適切に対応するための必要な体制の整備、③職場におけるパワハラの事後の迅速かつ適切な対応、④①~③と併せて講ずべき措置(相談者などのプライバシー保護ための必要な措置を講じ、労働者に周知すること、相談したことなどを理由とする不利益取扱の禁止および労働者への周知・啓発)が求められます。

パワハラを行った者が法的責任を負うのは当然ですが、パワハラ防止に向けた措置を講じていなかったり不十分であったりすると、事業主も損害賠償などの法的リスクを負ったり、関係者からコンプライアンス体制が不十分と評価されて取引が打ち切られるなど、信用リスクにも発展しかねません。どのように対応をしたらよいかお困りでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。

キャリアアップ助成金 わかやま新報129号 3月13日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点コーディネーター、社会保険労務士の二之段(にのだん)直哉です。

今回は、現在も事業所さまから相談を受けている「キャリアアップ助成金」についてご案内します。「キャリアアップ助成金」は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成金を支給する制度です。

同事業所さまは現在、有期雇用の従業員さんが働いており、会社のために頑張っている従業員さんを今後正社員に転換したいと考えているとのことでした。

「キャリアアップ助成金」にはいくつかのコースがあり、今回の事例では、「正社員化コース」(助成金額57万円)を活用できる可能性があります。

申請の流れとして、まずは「キャリアップ計画書」を正規雇用に転換する前に労働局に提出し、会社のルールである就業規則については、正規雇用への転換制度を規定した内容の整備変更が必要です。

そして規定通りの面接や試験、転換時期を経て正社員に転換された後、6カ月分の給与が支払われた日の翌日から2カ月以内に支給申請書類を提出する形となります。

なお、ルールとして「転換前6カ月分の賃金」より「転換後6カ月分の賃金」が3%増額している必要があり、算定に含められない手当なども決められているので注意が必要です。

また、助成金を申請するにあたり、就業規則はもちろん、従業員さんに交付しなければならない労働条件明示書、出勤簿や賃金台帳の作成管理など、日頃から適切な労務管理が行われていることも前提条件となります。 今回ご紹介した助成金を含め、新しい年度には内容が変更される場合が多々あります。今回の「キャリアアップ助成金」も4月からルール変更が予定されていますので、「キャリアアップ助成金変更」などのキーワードで検索の上、ご確認していただきますよう、よろしくお願いします。

伝統を守りながらの挑戦 わかやま新報128号 3月6日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点の福山です。今回は、高野口町の伝統産業で、パイル織物の製造をしている「米阪パイル織物株式会社」を紹介します。

同社は1962年創業で、車両用シート地(モケット)、毛布類、玩具用生地などを製造しています。車両用シート地は主に高級車や電車などで使われており、新幹線N700系グリーン車のシートにも使用されています。

ご相談のきっかけは5年前。繊維業界の好調期と比べるとかなり落ち込んだ売り上げを、今後のために拡大する方法を考えなければならない状況の中、何から手をつけていいのか分からないということでした。

そこで、まずは方向性を決めることから始めました。新商品の開発・小売り要素を付ける・新規販路の開拓などを提案し、相談を重ねていく中で、商品開発が必要だと分かってきました。

メーカーとして、「付加価値のある商品開発にウエイトを置く」という課題を設定。そのためにはどんな準備をするのかを考え、商社や問屋が扱ってみたい新商品の開発に取り組むことになりました。

そこで誕生したのが、薄手なのにふんわり暖かく、冷える身体をそっとくるむ綿100%の「マユケット」です。商品開発後、次の課題は販路ということで、クラウドファンディングを活用。プロジェクトの目標額に対して338%、234人もの支援者が集まりました。

クラウドファンディングは資金集めというより、テストマーケティングの位置付けと考えて実行。その後も、電車のシートに使われる生地であるモケットを使った、唯一のサコッシュバッグ「モケッシュ」などを開発するなど、現在も積極的に新商品の開発に取り組んでいらっしゃいます。

よろず支援拠点では、自社の強みいろんな角度で見出し、それを活かして事業を伸ばす方向性をコーディネーター一同一緒になって考え事業を総合的にサポートいたします。今回ご紹介した米阪パイル織物㈱をはじめ、伝統を守りながら新しいことにチャレンジする会社に、今後も注目していきたいと思います。

ブランドマーケティングについて わかやま新報125号 2月13日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点コーディネーターの横山精光です。今回は、ブランドマーケティングについて、ベンチマーキングとなる例をお話します。

皆さんご存じの「今治タオル」は、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が手掛けました。佐藤氏はユニクロ、楽天、セブンイレブンなどのロゴマーク製作など、単にデザインするだけでなく、ブランド価値そのものを生み出すプロデューサーの役目を果たすことで有名です。

2006年当時、安価な輸入品タオルの影響を受け、100社以上からなる四国タオル工業組合(現今治タオル工業組合)の生産量は10年前の3・5分の1、20年前の5分の1となっていました。このような状況でも組合員の間には、「いいものを作ってさえいれば売れる」との漠然とした期待感が漂っていたそうです。

同年、JAPANブランド育成支援事業に採択され、佐藤氏が登場。佐藤氏は、「本質的価値」×「戦略的イメージコントロール」=ブランディングを進める手順とし、①何が本質的価値かをつかみ取る、②つかんだ本質をシンプルで明快なコンセプトにする、③世の中に分かりやすい形でプレゼンテーションするといった三つのステップで進めていきます。

まず、本質的価値へのキーファクターは「安心・安全・高品質」として、白いタオルにこれらを見つけました。また、品質保持のために厳格な品質基準を設け、タオルソムリエ制度を導入。ご存じのロゴマーク(海外を見据えて imabari towel Japan)をデザインし、お客さまとコミュニケーションが取れる仕掛け(空間:店)も作り、しばらくして、現在の誰もが知る「今治タオル」になりました。(朝日新聞社版『今治タオル 奇跡の復活』参照)。 ブランド価値を上げるためにここで学ぶことは、「物事の本質をつかむ」「良さを徹底的に追求する」「見える化をする」「知らしめる」がポイントではないでしょうか。ブランドマーケティングについてご相談があれば対応させていただきますので、ぜひお気軽にご連絡ください。 

原点に立ち戻り危機対処 わかやま新報124号 2月6日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点コーディネーターの鹿島です。

新型コロナウイルスが変異したオミクロン株で、日本も過去最大の感染者数になっています。オミクロン株は非常に感染力が強く、県でも感染者全員の入院ができなくなり、自宅待機を余儀なくされています。重症化率は低いですが、高齢者や基礎疾患がある人への感染は命の危険につながります。とはいえ、家庭内隔離は非常に難しく、早急な追加ワクチンや薬の処方などの効果的な措置が望まれます。

では、私たち個人はどう行動するべきでしょうか。以前ご紹介した「事業継続計画(BCP)」につながりますが、「振り返って原点に立ち戻り、危機に対処する」ことが大切ではないでしょうか。

つまり、以下の三つのことが大切だと考えます。一つ目は、「オミクロン株」以前の第一波の行動を振り返り、律する行動です。二つ目は、危機が遠ざかると対応が甘くなりがちな、人間の心に潜む弱さの再認識。人と人との間で生きる「人間」(私たちは一人ひとりであり、また仲間である)は、いつ何どき「被害者」にも「加害者」にもなり得ることの自覚と行動、発言が必要です。

三つ目は、大自然の変容(新型コロナの変異・地球温暖化の進展など)に対応する、自然界の一員としての人間社会への対策の絶えざる見直しや改善。

一人ひとりの具体的な行動指針としては、①自分にとって大きすぎる問題も、コントールできる作業に分けて行うこと。検温や手洗い、確実なマスク使用・着用の徹底、三密(密閉・密集・密接)を避けるなど。

小さな作業も一つずつ、いつまでに、どのレベルまで行うか、具体的な行動手順を決めること。家屋・建物などに出入りする際、検温やこまめなアルコール消毒、定期的な換気、人が集まる場所への不要不急の行動制限、マスクを外した会話を避ける、マスク会食の徹底など。

力量内で実行し、余力を残す。自分自身の健康・安全を第一に、余裕を持って行動し、他の人にも配慮や世話ができるようにしておくなど。「事業継続計画(BCP)」は、新型コロナウイルス感染症や自然災害による従業員の欠勤やインフラの破損などの被害を受けても、組織が事業を中断せず、早期に復旧できる行動手順を規定したものです。同支援拠点では、事業者の「事業継続計画(BCP)」の作成を支援していますので、ぜひご連絡ください。

幅広く専門性の高い支援 わかやま新報123号 1月31日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点コ―ディネーターの野際です。

皆さまはよろず支援拠点で「創業」について相談できることをご存知でしょうか。全国的に見て、売り上げ拡大の相談が3分の2を占め、創業の相談は10%程度です。県に関しては、2020年度実績で創業相談が全体の約20%と比較的多い状況です。県・市町の創業支援や県外からの移住・起業への支援が手厚いからでしょうか。

コロナ禍で生活スタイルや働き方が多様化する中、独立開業する理由や目的は人それぞれ異なります。起業時の主な課題としては、「届け出などの各種手続き」、「資金調達」、「知識やノウハウの習得」といった3項目が挙げられます。

当拠点では、まさにこれらの課題についてのご相談に対応しています。中でも資金調達の相談が多く、当拠点では、開業資金を金融機関に借り入れ申し込みをする際に必要な事業計画書(創業計画書)作りの支援に力を入れています。

事業を始めるには、まずしっかりとした計画を作る必要があります。相談者とのヒアリングを重ね、ターゲット顧客やセールスポイント、強みの見える化、そして事業の見通し(数値の根拠など)を精査します。相談者の創業への想いや志を計画書に置き換える支援です。

次に、開業後は事業を継続させることがさらに重要になってきます。経営課題は多様化・複雑化しており、多岐にわたる専門的知識やノウハウの習得などが求められています。

当拠点では、相談者の新たな気付きとして、起業時に必要な手続きや届け出先、経理や従業員採用時の手続きなどについての助言、情報提供を行っています。専門性の高い内容は、税理士、社会保険労務士、弁護士の専門家が対応いたします。

当拠点では、起業・創業に対して、税理士、社会保険労務士、弁護士を含めたチーム一丸となって、幅広く専門性の高いサポートを行っています。創業間もない方も遅くはありません! ぜひ当拠点にご相談ください。

”夢のお手伝い”がヒント わかやま新報122号 1月23日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点の福山です。

以前、ある化粧品店さまから、社員の方向けにお話をしてほしいとご依頼がありました。相手のことを理解しながら進めたかったので、一方通行のセミナー形式ではなく、対話型の勉強会形式で行いました。とてもすてきなスタッフさんがそろっていて、いい感じの空気が漂っていました。

「仕事における喜びは何ですか」との私の問いに、ある販売員さんは「私たちは対人セールスですから、お店の商品をお客さまに提供するのが仕事です。でも、『買ってください』『買ってほしい』を前に出す営業は好きではないので、していません。お客さまといい時間を共有できることは、お金には代えられない喜びですので、お客さまと楽しい時間を過ごせるように心掛けています」とおっしゃっていました。

この店員さんは日ごろからお客さまといい関係を築いているのでしょう。まさしくこのことに、物が売れない時代にお客さまが買ってくださるヒントや、お客さまに「買いたい」の気持ちが生まれる瞬間が隠されていると思います。

化粧品店の話なので、「口紅」を例に少し考えてみましょう。 口紅は、原材料の顔料や油分など、工場で「素材」と呼ばれるものをもとに多くの過程を経て作られていきます。形になると「製品」と呼ばれ、パッキングされて出荷されます。

その後、化粧品店などのお店に届けられ、「商品」と呼ばれます。店頭に並べられて初めて「口紅」と呼ばれるのです。さらに、その口紅が販売員さんからお客さまの手に届くと、お客さまの〝きれい〟をお手伝いする「夢」に変わります。

このように同じ「物」でも、関わる人によって異なる呼び方や感覚になるのは面白いですね。大切なのは、相手の心に寄り添い、「夢」のお手伝いをしているかどうかです。お客さまと楽しい時間を過ごせるよう、心掛ける意味はここにあります。 あなたなら、「商品」を売りますか? それとも「夢」を売りますか?

デジタル化社会新年 わかやま新報121号 1月16日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点コーディネーターの速水愼一郎です。

このところDX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉が頻繁に使われるようになりました。IT(インフォメーション・テクノロジー)という言葉が使われ始めたのが2000年ごろからだと思いますが、よく意味が分からないまま分かったつもりになっていることが多いです。

ITは「コンピュータとネットワークを利用する技術の総称」と解説されています。そしてDXは「進化したデジタル技術が浸透することで人々の生活がより良いものへと変革すること」といわれていますが、「ふーん、そうなんだ」というのが私の正直な感想です。とはいえ、確かにコンピュータやインターネットの普及で日々の生活が格段に便利になったことは否めない事実で、この辺りの認識をはっきりさせておかないと困る時代になってきています。

政府もデジタル化の進展を目指すことを大きな目標に据え、1月には「電子帳簿保存法」が改正されました。これまでよりも帳簿保存の電子化が容易になったこの改正で、最も注目すべきは「電子取引(取引情報の授受を電磁的方法により行う取引)の取引情報はオリジナルの電子データを保存することが必須になった」ということです。

これまで紙に印字して保存すればよかったものが、それでは駄目になったのです(この制度については1年の猶予期間が設けられました)。あやふやな認識では税務上思いもよらない事態に陥ることも予想されますので、詳細は国税庁のホームページなどでご確認ください。

来年10月からは消費税の「適格請求書保存方式(インボイス制度)」も始まりますし、昨年10月からは適格請求書発行事業者の登録も始まっています。デジタル化社会新年といっても良い2022年が始まりました。よろず支援拠点でも、これらに関する研修会を開催予定ですので、ご利用いただければ幸いです。 コロナ禍の早期の終息を願いつつ、皆さまのご健勝をお祈り申し上げます。 

既存広告とSNS わかやま新報120号 1月9日号

謹賀新年。和歌山県よろず支援拠点一同は、本年も皆さまのますますのご発展を祈念するとともに、なお一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

新春号の今回は、広告・デザイン担当コーディネーターの私、榎本が既存の印刷物とSNSによる広報戦略の現状についてお話します。

広告としてすぐに思いつくのは、チラシなどの印刷物ですが、ご存知の通り、現在はSNSを利用した宣伝が重要性を増しています。広告手段や規模が多彩な都心でもSNSは最重要として扱われ、企業単体での情報発信からインフルエンサーの起用など、さまざまな手法で集客やブランディングに活用されています。

SNSの広告戦略は低コストで気軽に始められる上、ファンの獲得と囲い込みまでできるのが特長です。また、反響を数値で確認でき、改善を繰り返せばより良く成長させていけるため、個人事業主や中小企業には手軽に参入が可能な素晴らしい広告方法です。

一方、最初の窓口をどのように設けるか、顧客をどのように引き込んでくるかといった戦略は難しく、印刷物による広告を含む他媒体の併用の検討など、さまざまな労力が必要です。ファン層を維持するための更新や、有益な情報発信などの継続企画も負担になります。

このように「印刷物単独」であった広告は、「SNSに引き込むために既存広告方法を併用する」形へと変わってきています。また、飲食店に限っては、コロナ渦で営業時間が変化し、掲載内容への信用性が落ちたことによって、SNSやメール、メルマガなどの媒体へ信用が移行。ペイドメディアといわれる「グルメポータルサイトへの情報掲載が主力の時代」から変わりつつあります。 このように日々変化していく中、よろず支援拠点ではさまざまな情報を取り入れ、少しでも相談者さまのお役に立つアドバイスができるよう努めています。「広告を見直したい」「デザインを見直したい」という事業主さまは、ぜひ一度ご相談ください。

チャレンジ応援の専門家集団 わかやま新報119号 12月26日号

わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点コーディネーターの二之段(にのだん)直哉です。

私は日頃、社会保険労務士として人事労務管理に関する相談に対応しております。先日は、初めてスタッフを募集される飲食店経営者さまがご相談に来られました。採用後の労働条件に伴う労働保険や社会保険手続きのルール、そして採用後の労働条件明示書の交付などをアドバイスしたところ、「部分的に分からないところや疑問に思っていた点が解決し、相談して良かった」と非常に喜んでいただきました。

私も数年前に社会保険労務士事務所を開業した当初は、分からないことや不安に感じることがたくさんありました。特に、開業前は夢を膨らませて「成功しかない」という気持ちで溢れていたため、仕事でお世話になった先輩から「見通しが甘い」「そんな考えでは絶対失敗する」と全て駄目出しをされた時はとてもショックを受けました。しかし、それがあったからこそ創業に対する覚悟が生まれ、今も何とか事業を継続することができており、私のことを思い遠慮なく正直な意見を言ってくれた先輩には感謝しかありません。

また、サラリーマン時代は土日祝に仕事が入ると、やらされている気持ちが強くなり働くことが辛いと感じることがありましたが、今は個人事業主として働けば自身の収入につながるという気持ちから、曜日に関係なく業務をこなすことに満足感があります。これも、雇われ人ではなく創業する人の特権かもしれません。

「よろず支援拠点」は、創業を目指されている方や創業された方のための相談窓口であり、多種多様なコーディネーターが在籍する専門家集団ですので、これからもお気軽にご活用いただければと感じます。

和歌山で新しいことに向けてチャレンジしようと考えている方々を「よろず支援拠点」はこれからも応援します。2022年も皆さまの健康とご多幸、事業のさらなるご発展を祈念しております。